高校3年生の子供の進学先が、県外の大学になりそうです。学費はこれまで、積み立てていた学資保険や貯蓄をあてようと考えていますが、学費以外にどのような費用がどのくらいかかるか不安です。
自宅から通えない場合は、一人暮らしになり生活費がかかる!まずは、新生活の準備金が必要
自宅から通えない大学に進学する場合、どれくらい仕送りしなくてはならないのでしょうか?学費以外にも生活費を負担するのは大変です。事前にしっかりと調べて準備しておきましょう。
【新生活の準備にかかるお金】
東京私大教連「私立大学新入生の家計負担調査」(2019年度)によりますと、自宅外通学の学生がアパートやマンションなどを借りたり、生活用品を揃えたりする費用は、平均で約60万円となっています。内訳は、
・家賃・・・63,400円
・敷金・礼金・・・209,800円
・生活用品費・・・322,600円
となっています。
さらに、受験費用・学費があります。
・受験費用・・・268,800円
・初年度納付金・・・1,336,033円(1年分)
を合わせて2,200,633円。
自宅から通えない大学に通う可能性がある場合には、入学の年だけで、これだけのお金が必要ですので、進学資金は余裕を持って準備しましょう。
毎月の生活費の仕送り額は約8.5万円。学費に加えて生活費の仕送りはかなりの負担!
【毎月の生活にかかるお金】
では、自宅外の大学生に家庭からどのくらいの仕送りをしているのでしょうか。
東京私大教連「私立大学新入生の家計負担調査」(2019年度)によると、毎月の仕送り額は、8万5300円です。
内訳は、
・家賃・・・63,400円
・生活費・・・21,900円
家賃の占める割合が高くなっていますが、この調査を行う団体が東京の私立大学だからというのも考えられます。家賃は地域差が大きいので、それほど家賃が高くないところでは仕送り額も少なく済むでしょう。
しかし、家計から毎月これだけの金額を4年(医歯薬学系などは6年)間も負担するとなると、家計にとってはかなり重く感じるかと思いますが、家賃を除いた1日あたりの生活費はわずか 730 円です。学生もかなりギリギリの生活費で頑張っていることになります。
ちなみに、2013年度の調査結果では1日当たりの生活費は約937円、最高時の1990年度は2,460円でした。近年、親の教育費の負担が限界まで来ていることを物語っているようです。
仕送りだけで光熱費や食費をすべて賄っているとは考えにくく、アルバイトや奨学金で生活費や交際費などを補っているのではないでしょうか。
「平成28年(2016年)度学生生活調査結果(日本学生支援機構)」によると、大学生(昼間部)の83.6%がアルバイトを行っているということですから、アルバイトをするのも学生生活の一部となっているようです。ちなみに、同調査によると、アルバイトの年間収入額は約35万6,000円ということです。
県外の大学へ進学するかも・・・と思ったら早めにお金の準備を。奨学金も検討。
学費だけでも高額なのに、毎月仕送りをする生活が4年間。さらに子どもが複数いると・・・と考えると気が遠くなってしまいます。地方は大学の数、学部の種類も限られていますから、県外への進学が多くなる傾向があります。
少しでも将来の教育費の負担を減らすために、児童手当には手を付けずに貯める、子供のお祝いにもらったお金は子供名義で貯金する、などの対策を立てて進学資金を貯め、最低でも大学の授業料くらいは大学入学時には確保できていると安心です。
ただし、仕送りの生活費まで事前に準備するのはなかなか難しいものです。そういった場合、奨学金を借りることを検討することも必要になってくるでしょう。どのくらいの金額を借りる必要があるかは、親子でよく相談して決めることが大切です。
- 学生寮や一人暮らしなど、新生活を始めるための準備金が必要
- 毎月の仕送りがどのくらいできるか、家計を見直して検討しよう
- 生活費が不足するようなら、奨学金の検討を