自宅外から大学に進学する場合、学費の他に住居費や生活費がかかります。
特に、アパートやマンション、学生寮などに入居するためには、まとまったお金がかかりますので保護者の方は必要な資金を準備しておく必要があります。
この記事をよめば、大学で自宅外通学をする場合に必要となる新生活準備費用がどのくらいなのか、費用が足りない時にはどうすればよいのかがわかります。
この記事の執筆者ふくしまかなみは、ファイナンシャルプランナーであり、教育費相談を含めたライフプラン相談を数多く受けていますし、自分自身も奨学金を利用して大学に進学した経験があります。 また、現在、大学生と高校生の子育て中でもあり、実体験に基づいた教育費準備のアドバイスを行っています。
首都圏の私立大学生の新生活準備費用は平均約61万円
2021年4月に東京私大教連が発表した「私立大学新入生の家計負担調査(2020年度)」によりますと、自宅外通学の学生がアパートやマンションなどを借りたり、生活用品を揃えたりする費用は、平均で約61万円もかかるとのこと。
ちなみに、毎月の仕送り額は平均で約8万2,400円(過去最低額)とのことです。 上記の調査欠陥は首都圏の大学の調査結果ですので、高めの結果になっていますが、全国的にはどうなのでしょうか。
大学生の新生活準備にかかるお金は?具体的に必要な金額
全国的な調査として、参考になる調査結果が、全国大学生活協同組合連合会が行っている「保護者に聞く新入生調査報告書」です。
2020年度の調査結果の自宅外通学大学生の新生活準備費用「住まい探しの費用」と「生活用品購入費用」を参考にすると良いでしょう。
住まい探しの費用
同調査によりますと、住まい探しの費用は、国公立大の下宿生の平均で、204,000円、私立大の下宿生では260,200円となっています。
住まい探しの費用には、住まいそのものにかかる敷金・礼金や前払い分の家賃はもちろん、自宅から大学の近くの地域までの交通費や宿泊費用もかかりますので、こちらを含めての金額となっています。
交通費や宿泊費用は、大学受験の際に、『合格した場合に入居する』という前提で探して予約しておくということもできるようです。
そうすると、別途交通費や宿泊費はかからないですね。ただ、その場合は受験時に親御さんも一緒に付き添って住まい探しをするでしょうから、その分の費用は見込んでおいた方がよさそうです。
大学進学時期には、同じように住まい探しをする方がたくさん出てくるでしょう。
決められた期間で気に入った物件を見つけるためには、親御さんがあらかじめ住まいのエリアを選んだり、予算に合った物件があるかどうかをネットの不動産情報を活用して調べておいたりすると良さそうです。
生活用品購入費用
続いて、同調査で生活用品購入費用を見てみましょう。
まず国公立大下宿生では288,800円、私立大下宿生では290,100円という平均値になっています。
国公立大、私立大ともに、下宿生の場合は生活用品をそろえるのに30万円程度かかっているということになります。
内訳は、寝具、家具・家電用品、自炊用品、インターネット契約・配線工事、電話機・携帯電話、日用雑貨、自転車・バイク、衣類や身のまわりの小物です。これだけのものを揃えるには、やはり相当な金額がかかりますね。
新生活準備費用の平均額は50万円以上!
上記の自宅外通学大学生の新生活準備費用「住まい探しの費用」と「生活用品購入費用」を合わせた金額は、
となり、新生活準備費用の全国平均額は50万円以上になります。
受験から入学までにかかった費用
また、同調査によりますと、大学受験出願から受験、学校への納付金、住まい探しの費用などすべてを含めた「受験から入学までにかかった費用」の平均額は、
- 自宅生の場合、国公立1,378,100円・私立1,694,800円
- 下宿生の場合、国公立2,039,700円・私立2,332,800円
です。 かなり大きな金額になりますので、計画的に準備を進めておく必要があります。
※調査結果の内容は、全国大学生活協同組合連合会ホームページ2020年度保護者に聞く新入生調査の概要報告をご覧ください。
大学進学での生活準備費用が足りない時
これらの進学のための生活準備に必要な資金が足りない場合、奨学金では入学準備金には間に合いません。
教育ローンや、加入している生命保険の契約者貸付が利用できないか検討してみましょう。
教育ローンは、日本政策金融公庫の国の教育ローン(教育一般貸付)が40年以上の取扱い実績があります。 固定金利で、もちろん受験前に申し込み可能です。
お子様1人につき上限金額が350万円ですが、自宅外通学や修業年限5年以上の大学(昼間部)へ進学する場合、海外留学(修業年限3ヵ月以上の外国教育施設に留学する場合)など一定の要件では450万円まで利用可能です。
ただし、利用する方の年収制限があります。
教育費カウンセリングを行っています
数百万円以上かかる学費を賄うために借りる奨学金や教育ローンを検討される場合、借りすぎてしまうと、お子様は結婚や子育てなどのライフプランに、親御さんは老後資金に影響がでることもあります。
ふくしまライフプランニングオフィスでは、教育費に関する相談、教育費の準備方法などのカウンセリング相談を承っています。 お気軽にお問い合わせください。