教育費

「国の教育ローン」はどのような場合に利用できますか?また、金利はどのくらいですか?

子どもの大学受験の予備校代や受験費用に予想外にお金がかかることがわかりました。合格したら入学金や授業料に奨学金を利用しようと思っていましたが、受験費用には使えませんよね。国の教育ローンだったら受験費用にも利用できますか?また、金利はどのくらいでしょうか?(Fさん・女性・45歳)

この記事の執筆者ふくしまかなみは、ファイナンシャルプランナーであり、教育費相談を含めたライフプラン相談を数多く受けていますし、自分自身も奨学金を利用して大学に進学した経験があります。

また、現在、大学生と高校生の子育て中でもあり、実体験に基づいた教育費準備のアドバイスを行っています。

幅広い用途に利用できる「国の教育ローン」

教育費が不足する場合には、まず奨学金を検討しますが、奨学金の振り込みが始まるのは入学後です。入学金や自宅外通学の場合のアパートを借りる費用などが不足する場合には間にあいません。そこで、入学前に必要なお金が不足する場合は、教育ローンを利用を検討する方も多いでしょう。

教育ローンは銀行をはじめ様々な金融機関で取り扱っていますが、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は40年以上の実績があります。

金利は固定金利で、2021年5月18日現在、年1.66%(保証料別)となっています。

但し、下記の条件の方は年1.26%(保証料別)です。

・母子家庭、父子家庭で世帯年収200万円(所得132万円)以内の方

・子ども(注)3人以上の世帯で世帯年収500万円(所得356万円)以内の方

(注)年齢、就学の有無を問わず扶養している子ども

「国の教育ローン」は授業料や入学金だけでなく、定期代や教科書代、パソコン代、受験にかかった費用やアパートの敷金・礼金などいろいろな用途に利用できますので、受験にかかる受験料、交通費、宿泊費なども対象です。融資の対象となるのは、今後1年間に必要な資金を借りることができます。

また、対象の学校も大学や大学院、短大、専門学校はもちろん、高校や予備校、専修学校、デザイン学校なども含まれます。

教育ローンは奨学金と併用も可能です。学費が不足する場合、まずは奨学金を申請し、奨学金で不足する分や、奨学金の支給までにかかる受験費用や入学金などに教育ローンを利用するというのが合理的です。

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利用する場合には世帯年収(所得)に制限がある

「国の教育ローン」を利用する場合には世帯年収(所得)に制限があります。2021年5月現在の年収制限額は下記のようになっています。

子ども1人の場合、世帯年収790万円(事業所得の場合600万円)

子ども2人の場合、世帯年収890万円(事業所得の場合690万円)

子ども3人の場合、世帯年収990万円(事業所得の場合790万円)

子ども4人の場合、世帯年収1,090万円(事業所得の場合890万円)

*子どもが2人以内の場合、条件により990万円(事業所得の場合790万円)まで上限額が緩和されます。

【緩和される場合の例】

・勤続年数(事業を営む場合は営業年数)が3年未満

・居住年数が1年未満

・世帯のいずれかの方が自宅外通学(予定)者

・借入申込人またはその配偶者が単身赴任

・海外留学資金に使う場合

・ご親族などに「要介護(要支援)認定」を受けている方がおり、その介護に関する費用を負担している場合

・大規模な災害により被災された方 など

令和2年から自宅外通学でも450万円まで利用可能に!

国の教育ローンの利用額は基本的には子ども1人につき350万円までです。
兄弟がいる場合にもそれぞれが350万円まで同時に借りることができます(審査あり)。

申し込みは1年中、いつでも可能で、24時間インターネットでの申し込みも可能です。

また、受験費用にも利用できますので、入学前の申込も可能です。

審査に時間がかかることもありますので、余裕を持って2~3か月前からの申し込みをすることが推奨されています。

2019年までは、例外的に留学する場合(外国の教育施設に3ヵ月以上在籍する場合)は、450万円まで利用可能でした。

しかし、2020年(令和2年)からは、追加で、下記のいずれかの場合でも国の教育ローンを450万円まで利用できるようになりました。

・自宅外通学の場合
・修業年限5年以上(昼間部)の大学
・大学院

つまり、どのような学部(高等学校や専門学校なども)でも、自宅外通学の場合は上限が450万円ですし、医歯薬学系など在学期間が5年以上の大学や大学院の場合は、自宅通学でも上限が450万円になるということです。なお、留学(3か月以上)の場合も従来通り上限が450万円です。

教育ローンを利用する時の注意点

進学するために学資保険でコツコツとお金を準備していたような場合でも、予想外に受験のための予備校の費用がかさんだり、自宅外の通学になったりして資金が足りなくなるという場合も出てきます。

教育ローンは、都市銀行や地域の地方銀行、信用金庫など民間の金融機関でも広く取り扱っていますが、変動金利の場合が多く、国の教育ローンより金利が高いケースもあります。

少しでも金利の低い変動金利で民間の金融機関から借りるのか、固定金利で国の教育ローンから借りるのか、借入金額の大きさや返済計画も考慮しながらよく検討しましょう。

国の教育ローンの申し込みは1年中、いつでも可能です。インターネット申込みなら365日、24時間受け付けています。申込む場合は、審査がありますので期間に余裕を持って申し込むようにしましょう。

国の教育ローンまとめ

・利用する場合には世帯年収(所得)に制限がある

・奨学金との併用も可能

・利用額は子ども1人につき350万円まで(一定の要件の場合450万円まで)

・申し込みは1年中、いつでも可能(24時間インターネット申し込みも可)

・金利は固定金利で、年1.66%(保証料別)(令和3年5月18日現在)

・最長15年の長期返済も可能

・受験前から申し込みができる(2~3か月前からの申込を推奨)

※ 参考サイト:日本政策金融公庫:教育一般貸付 国の教育ローン

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福島佳奈美(ふくしまかなみ)
この記事を書いた人
ふくしまかなみプロフィール
情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として約9年間勤務、出産を機に退社。自らの家計管理に悩んだことから子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFP®)資格を取得し、独立系FPとして活動開始。

教育費・保険・家計見直し等のセミナー講師や、保険・住宅ローン・教育費・老後資金準備など幅広いテーマでのマネーコラム執筆の実績多数あり。

個人相談ではお金の不安をなくすための正しい知識とライフプランニングの重要性を伝えるため、オンラインFP相談実施中。

保険や金融商品を売らない独立系のファイナンシャルプランナーです。

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